BIG LIFE

あなたのつま先がいつも希望へ向かいますように

桐嶋直志(THE TRANSFORMER)という日本で稀代のボーカリストを僕は忘れない。

あの日から一年が経ちました。

 

 生きていれば説明のしようもない不思議な体験をいくつも経験することがあります。

あなたにもそんな経験はありませんか?

 

それは幽霊を見たとか、正夢を見たとかなんでもそうです。

母は幽体離脱をした話を今でも真顔でしますがあれはきっと本当なのだろう。

 

僕は不思議なことにデジャブを感じることは多々あります。

あれ、この場面どこかで見た記憶がある。

この次はきっと電話が鳴って、、ほら鳴った。

 

デジャブとは前世の記憶の名残らしい。

生まれ変わるときに前の記憶を消してもう一度生まれるらしいのですが、

消しきれていない記憶、それがデジャブの正体。

ということはきっと僕のこの魂は何度も生まれ変わり

人生を経験しているのでしょうか。

一体僕は何度目の人生なのだろうか。

 

僕は生まれた時、未熟児だったそうで母の話によると生まれた時、息をしていなくて先生に体を叩かれまくって息を吹き返したみたいです。

 

「お前は生きろ!」と産婦人科の先生は叫んでいたと

それで息を吹き返したと母や祖母からいつも聞かされていました。

自転車で走っていたときあと1秒ずれていたらまともに車にぶつかっていた経験もした。

 

この世は本当におもしろい。

説明できないこと、目に見えないことがないとは言い切れないから。

 

今夜はそんな話。

 

小学生の頃、当時ゲームのストリートファイターⅡが流行っていました。

それに便乗するかのように映画化がされて、声優に羽賀研二!なんでやねん!笑

アニメ化されたストⅡを映画館に観に行きたいと祖父にねだり街にある映画館に連れて行ってもらいました。

 

館内は満席で立ち見も出ていて仕方なく階段に僕は座り祖父は立ってくれた。

 

館内に入ったときすでに映画は始まっていて

ちょうど春麗がバルログにホテルで襲撃されるシーン。

春麗に車から電話をかけるガイルの運転する車の中でラジオから流れる曲に

僕は・・一瞬で心を奪われました。

 

携帯電話もインターネットもない時代。

調べることもできずにこの歌を歌っていたのは一体誰なのか。

その歌が聴きたいがためにレンタルビデオ屋さんで

いつもストリートファイターを借りてもらった。

 

見るのはもちろんあのシーン。

映画を終わるまで見ずにそのシーンだけを

巻き戻しては見て巻き戻しては見てを繰り返す。

家族はとても不思議がった。

この後にビデオを借りた人はきっと

あのシーンだけブレていたに違いない。

 

誰が歌っているかもわからないまま時は過ぎ二十歳になった。

 

当時お世話になっていたプロギタリストが新しいバンドをすることになり

今夜ボーカリストと会うからと僕も飲みの席に呼んでいただいた。

 

そこに座っていたのは桐嶋直志という人だった。

 

「はじめまして、桐嶋です。」

とニカっと笑い握手をする。

 

僕はこの人がどんなシンガーでどんな声をして

どんなバンドをしてきたかなんて当然わからなかった。

 

もちろんインターネットもあったけどなぜか調べることをしなかった。

というより、調べるほどのことじゃないと思っていた。

 

ちょっと歌の上手い専門学校の講師だろう。

当時の僕はそんな風に思っていた。

 

直志さんのライヴを何度か見ることになって

一緒にいる時間も増えていきました。


『LONE STAR』 THE TRANSFORMER

 

はじめてライヴを見たときになぜか

懐かしい気持ちになった。

この声、どこかで聞いたことがある。

いや、まさか。

いつか本人に聞いてみよう。

 

ある日、直志さんから電話があって

 

「今からそっちに行くよ。」

電話がかかってきて駅まで迎えにいき

一日一緒に過ごしました。

 

夜、二人でバーで飲んだ時。

音楽のこと、人生のこと、これからのこと。

普段自信家の直志さんはこの時だけは

なぜか笑顔になったりしんみりしたり

少し弱音を吐いたり感情の浮き沈みが激しかった。

偉そうな物言いだが僕はそんな彼がすごく魅力的に見えた。

 

それから疎遠になってずっと連絡をとらない状態が続いた。

もうあれから10年か、、

 

久しぶりに会って歌う姿がみたいと彼の近況をネットで探す。

 

今活動しているらしきバンドのホームページに

たどり着いた僕は言葉を失った。

 

 訃報 桐嶋直志 

 

2月22日。

 

きっと空から僕に教えてくれたんだろうか。

一枚だけ撮って大事にしまっておいた写真をみて

涙が止まりませんでした。

 

そして、ふと思い出したかのようにあの曲をネットで探す。

 

あった!

 

・・・

 

作曲 須原直史。

 

やっぱり全然違う人だったか。でもやっと辿り着けた歌。

小学生から二十歳を過ぎてもう何年探したかわからないこの歌。

インターネットよ、ありがとう。

 

そんなとき、ふとある日のことを思い出した。

直志さんがホテルを予約してそのホテルまでライヴ終わりに送って行ったときのこと。

 

受付の方に

 「予約していた須原です。」

僕「あれ直志さん、桐嶋じゃないんですか?」

 「言ってなかった?

  俺、本名須原っていうんだよ。」

 

もし神様がいるのなら・・

いや、これはどう考えてもいるに違いない。

 

あの時、祖父に連れて行ってもらった映画館で聴いたあの歌声。

誰か知らないまま大人になって巡り巡って

もうとっくに出会わせてくれていたんです。

仕込み過ぎのドッキリをされた気持ちです。

そのことに気づけず、本人にも僕の想いを伝えられなかった。

そのことが今でも心残りであります。

 

あなたにとって僕は人生のたった2行くらいの存在だったかもしれませんが

僕にとっては今まで出会った日本のミュージシャンで一番素敵な方でした。

 

直志さんあなたのことはこれからも一生忘れません。

心から感謝しています、ありがとうございます。

 

そしてこのブログをきっかけにどうか彼のこの声を一度、あなたにも聴いてほしいですね。

このまま忘れられていくのは寂しすぎますから。

 

ミュージシャンや画家などの芸術家は、才能とは別に世間の評価は比例しないものですが、桐嶋直志もまた日本の音楽シーン、ボーカリストとして過小評価されているそんな存在であると僕は思います。

 

ま、そんな話をしても

「一人でも自分の歌を聴きたいと思ってくれている人がいるだけで俺は最後まで歌うよ」

って、あの無邪気な笑顔で僕に言う彼の笑顔が思い浮かびます。

人生とは本当に不思議なものです。